おはようございます、ブログの3男、佐藤です。最近の朝おやつは、先週の学園祭でゲットした宮古島産の黒砂糖です。塊になっているのをひとつ頬張ると、少しするとほろっと溶けて、いろんな味が広がります。いいですね黒砂糖。
そんな南国の甘みを堪能しつつ、この間の午後問題問3の続きを見ていきましょう。今回は問3の設問2です。
IPv6アドレスは、素のものをそのままつかうととっても長い(各桁4桁の16進数で、コロンつなげで8箇所ある)ため、省略表記が可能な形になっています。
そのため、2つの省略方法が問題文中で表現されています。
- 16ビット(4桁16進数)において、上位となっているゼロ(0)は省略できます、普通の10進数と同じで、0x0032なら0x32という形です。さすがに0x0000は0x0という形で最低一桁のゼロは残りますけどね。これを以下ではルール1としておきます。
- 「0」になってしまったブロックが連続した場合は、連続部分を”::”と省略できるというものです。2001:0db8:0000:0000:4321というかたちなら、2001:0db8::4321となります。ただしこの省略は1箇所しか使えません、これは実際に書いてみるとわかります。”2001:0db8::4321::abcd”なんてものがあったらどうなるか… 各”::”がいくつ分になるのかが固定化できないのです。”2001:0db8::4321:0:0:abcd”であれば”::”は2ブロック(0000:0000であり0:0と省略)であることがはっきりします。連続するブロックの多い方を省略記法にすればいいでしょう。こちらは以下でルール2としておきます。
このルールをおさえて問題にあたると、ちょっとした(とはいえない簡単レベルですが)操作で設問2はおわりになります。
まず空欄d、圧縮した形式が「2001:db8::2:1」ということは、ルール1の逆展開で「2001:0db8::0002:0001」となります。
そしてルール2により::部分が必要回数0000で展開されます。
前後4ブロックには値があるため、4ブロック(128ビットなので全部で8ブロック)を0000で埋めてあげればいいということになります。
結果「2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0002:0001」となり、ウが導かれます。
空欄eも同様に攻めてみましょう。
まずルール1を使って、「2001:db8:0:0:cd30:0:0:0」になります。
連続する0が2箇所ありますね、途中に挟まれている部分(0:0)と末尾(0:0:0)にあります、この場合ルール2で補足しているように、末尾側を圧縮したほうが短くなりますので、「2001:db8:0:0:cd30::」となります(答えはクです、エはひっかけ)。
なお、「2001:db8::cd30:0:0:0」もアドレスとしては有効ですが、設問2にさらっと書かれているように「それを最も短く表現する圧縮形」ということで答えを作らないといけないため、カも正解になりません。これはひどいと言いたくなります。
ラスト、空欄fも同様です。書くのが面倒になるので先にルール2を適用させます。
するといきなり超圧縮、「::0001」になってしまいました。
そしてルール1を適用すると「::1」です。おおぅ、超圧縮ここに極まりです。
実はこのアドレス、IPv6におけるループバックアドレス(自分自身を指し示すアドレス)です。ということで正解はウとなるのでした。
さてさておまけ、IPv6のアドレスには、プライベートアドレスとグローバルアドレスの区別が実際のところありません1。近い立ち位置としてのリンクローカルアドレス(fe80::/10)はありますが、IPv4にだって存在します(169.254.0.0/16)から、完全にプライベートアドレスの代わりとはいえません。
実際のところプライベートアドレスという区分けはなく、家の中などであったとしても今のようなプライベートアドレスを適当に使ってNATで内外を切り分けるようなことが不要になっています2。NATがファイアウォールの代わりに使われている状況から脱却する(IPv6専用ブロードバンドルーターであれば、NATではなく真にファイアウォールを使えということ)。なお、古い文献だとサイトローカルというプライベートに近いアドレスの話が見られますが、現状では廃止されてULA(→参考文献)が提案されています、こちらをプライベートとして使う分にはおそらく問題にならないでしょう。
おまけその2、この問題の中では、2001:db8::/32というネットワークをサンプルに使っています。このアドレスは、文書記述用アドレスと呼ばれるカテゴリのもので、実際のネットワークには使用しないということになっています(参考文献その1、その2)。すべてグローバルアドレス(唯一の例外と言ってもいいのが::1)の世界のため、うっかり適当なアドレスを文書に書いてしまうと、どこかの誰かが使っている可能性が出てしまうんですね、恐ろしや。
ということで、今回は設問2でした、次回は設問3です。どうなることやら。それではまた来週お会いしましょう。
2013年(平成25年度)秋期の解説
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問13】
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問11】
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問12】(その2)
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問9】(その2)
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問12】(その1)
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- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問8】(その2)
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問8】(その1)
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問7】
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問6】
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問5】
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- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問3】(その2)
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問2】
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問3】(その1)
- 平成25年度 秋 基本情報技術者試験 【問1】
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