スゴ技

平成27年度春基本情報技術者試験【問5】

Blog：IT・情報処理BLOG | 2015.05.04

ソフトⅡコース担当　ブログのおにーさまこと高橋です。

連休も残り少しとなりました。昼夜逆転している人、生活リズムをそろそろ戻しましょう。

それでは、今日は平成27年度春期基本情報技術者試験午後問5の解説をしたいと思います。問題は、IPAのサイトをご覧ください。

問題が長いので、諦めてしまった人いませんか。ポイントさえ押さえれば、それ程難しくありません。

設問1
設問1は、ER図で抜けている属性を埋める問題です。属性は必ず問題文の中にあるので、しっかり読めば正解を導くことができます。問題文が長いですが諦めないこと、そして、1対多の関係があるとき、1側に参照される属性、多側に参照する属性があるはずです。このことを踏まえて考えると解きやすいです。

問題文の、空欄のあるエンティティに対応する機能から属性を見つけ出します。

空欄a
「新規契約の申込受付機能の要件」(2)契約担当情報登録に、「当該契約の契約担当情報を登録する」とあります。つまり、契約担当には、どの契約に関する情報であるかが必要です。aには、「契約番号」が入ります。aの正解はウです。

空欄b
「既契約の保全手続受付機能の要件」(1)保全手続情報登録に、「保全手続ごとに一意な保全受付番号を付与する」「契約単位に管理する」とあります。「保全受付番号」と「契約番号」が必要ですが、保全手続エンティティには該当属性がありません。空欄にこれらの属性が入ります。aが「契約番号」なので、bには「保全受付番号」が入ります。bの正解はクです。

空欄c
「帳票出力機能の要件」(1)帳票印刷に、「帳票ごとに一意な帳票出力番号を付与する」とあります。bは「保全受付番号」なので、空欄cに「帳票出力番号」が入ります。cの正解はカです。

空欄d
「新規契約の申込受付機能の要件」(3)顧客情報の登録・更新に、「顧客情報の登録時には、顧客ごとに一意な顧客IDを付与する」とあります。しかし、顧客エンティティには該当属性がありません。dには「顧客ID」が入ります。dの正解はエです。

ER図を完成させると、次の図になります。

（画像をクリックすると拡大します）

空欄部分を太字にしています。また、参照する属性と参照される属性を矢印と同じ色にしています。参照する側は外部キーです。参照される側はすべて主キーです。関係データベースでは、外部キーの参照先の属性は主キー制約か一意制約でなければなりません。これも、問題を解く時のヒントになることがあります。

設問2
設問2は、CRUD図で抜けている部分を埋める問題です。空欄となっている箇所の機能で、エンティティに対してCRUDのいずれを行っているかを考えます。

空欄e
「新規契約の申込受付機能の要件」(3)顧客情報の登録・更新をみると、「新規契約の申込受付時、顧客の住所変更受付時」に名寄せをするとあります。名寄せをするには、顧客情報を参照して調べる必要があるので、Rを行います。新規契約の申込受付時には新規に登録するのでI、更新時にはUを行います。空欄eの正解はカです。

空欄f
「既契約の保全手続受付機能の要件」(3)顧客情報更新をみると、名寄せを行うので、Rを行います。名寄せの結果、見つかった顧客情報を削除するのでDを行います。また、保有契約数の更新を行うので、Uを行います。空欄fの正解はキです。ここでの登録は関係顧客情報に対してで、顧客情報ではないことに注意します。

できていたでしょうか。問題文は長いですが、問題を解く上で必要な箇所は一部です。必要な個所をいかに早く見つけるかが鍵になります。