みなさん、こんにちは。日本語学科担当の長谷です。
日本語学科はその名の通り、留学生を受け入れ、日本語の勉強をしている学科です。中国・韓国・台湾・ベトナムなど、様々な国からの留学生がいます。
日本語にも、日本の生活にもまだまだ不慣れな留学生たち。授業中に飛び出す質問もユニークなものがいっぱいです。
「ラジャー」は何語?
みなさん、「ラジャー(了解)」という言葉は知っていますか?普段は使わないけど、戦闘もののアニメなどでよく耳にするのでは。
「全員、戦闘配置につけ!」
「ラジャー!」
みたいな感じでしょうか?わたしの場合は「ガッチャマン」が真っ先に浮かびますが(古い・・・)
留学生には、日本のアニメが大好きな学生が多く、「ラジャー」の認知度も高めです。
あるとき学生からこんな質問を受けました。
「先生、ラジャーは中国語ですか?中国語で「了解」は『リョウジェー』と発音しますが、『ラジャー』とよく似ています!」
なるほど、学生に中国語で『了解(リョウジェー)』と言ってもらうと、「ラジャー」と「了解(リョウジェー)」は確かに似ている。英語だと思ってたけど、もしかして語源は中国語…?
というわけで「ラジャー」の意味を調べてみました。
答えは無線通信でのやりとりにあった…?
話は無線通信になります。
無線で話をするとき、聞き間違いを防ぐために使う通話コードがあります。たとえば「B」と「D」はよく似た音ですが、「Bravo(ブラボー)のB」と言えば「D」と間違うことはありません。
もともと無線は雑音が多く、相手の言葉が聞き取りにくいので、「Alphaのa」「Golfのg」・・・というようにアルファベットのすべての文字について法によりコードが決められています。
ちなみに、日本にも「朝日のあ」「いろはのい」「上野のウ」・・・というようにコードがあります
アメリカの軍隊では、無線でメッセージを受け取ったときは「received(受信した=了解)」と応答するのですが、それを省略して、はじめのアルファベット「R」だけを相手に伝えたそうです。
で「R」の通話コードは「RogerのR」(Rogerは男性の名前)なので、無線では「了解」のことを「Roger」と言うようになったのです。
なお、「Roger」は、日本的に読むと「ロジャー」ですが、アメリカでは「ラジャー」と発音されるので、日本でもそのまま「ラジャー」として使われているとか。
というわけで、話がずいぶんと長くなりましたが、
「ラジャー」は、中国語ではなく、英語の通話コードに使われている人名でした。
それでは、この辺で。無線通信ふうに終わりましょう。
「EchoのE」「NovemberのN」「DeltaのD」
(「大阪のオ」「新聞のシ」「マッチのマ」「いろはのイ」)
みんな、バイト先で「ラジャー」は使わないでね~
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