スゴ技

平成23年度 秋 基本情報技術者試験 【問3】(その1)

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こんにちは、ブログのおとーと、佐藤です。

16日に実施された基本情報技術者試験、いかがだってでしょうか? 先ほど午後問題のうち、私が授業で関わっている問3について解いてみましたので、解説を入れておこうと思います。うまく解けなかった方の参考になればと思います。

問題では図表が出てくるのですが、ここにコピーするわけにいきませんので、問題をお持ちの方は該当ページ(14ページ)を、もしくはオンラインで公開されているPDF版の14ページを参照ください。

この問題は、ネットワーク構成とプロキシの効率を問うというものでした。ネットワークの基本を押さえておけば、それほど難しくない、ある意味基本に忠実な問題でした。

設問1は、サブネットマスクを問うというものです。ネットワークAにぶら下がっている端末を図で見ると…

  • ルータ(10.0.1.1)
  • 社内システム Webサーバ1(10.0.1.200)
  • 社内システム Webサーバ2(IPアドレス不明)

の3つが存在しています。少なくとも「1」「200」が共存できないといけないわけですが、このような広さはいわゆる24ビットマスク(255.255.255.0)となります。ということで答えはになります。

エは論外ですが、ア・イは収容可能でもありますね。ア・イはたしかに収容可能ですが、そのマスクにしてしまうと、ルータ1を飛び越えたネットワークまで同一ネットワークに収容できてしまうので、構成がおかしなことになってしまいます。ということで、答えはひとつ(ウ)に絞り込めたのでした。

続いて空欄bを見てみましょう。空欄aを埋めることで、サブネットマスクが24ビット長(255.255.255.0)となりました。よって該当するアドレス範囲は「10.0.1.0~10.0.1.255」ということになります。しかし、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは使えません。ということで実際に機器に割り当て可能な範囲は「10.0.1.1~10.0.1.254」となります。TCP/IPのネットワークの基本を押さえていれば問題ないでしょう。

上記を前提としたとき、候補としているアドレスで範囲内のものを確認すると、以下の3つになります…が、よく見てみましょう、さりげなくひっかけが含まれています。

  • 10.0.1.1 … ルータが使用中です
  • 10.0.1.2
  • 10.0.1.3

ということで、割り当て可能なものは2つです。よって正解は「」となります。

設問2、業務用PCはネットワークB(10.0.2.1など、サブネットマスクは確定できません)となっています。問題文(記述部分)にて「D社はDHCPのメッセージを中継する装置は設置しない」と書いてくれてますので、いわゆるブロードキャストドメイン(パケット転送無しで直接届く範囲)に配置することが求められます。ということで同一ネットワークに配置してあげましょう。DHCPサーバもネットワークBに配置すればいいということになります。ということで空欄cは「」となります。

空欄dは「インターネットと基幹ネットワーク間の直接の通信は避けたい」ということが記述されていることに注意しましょう。つまり望んでいるのはプロキシを中継させることで、

業務用PC ←(基幹ネットワーク経由)→ プロキシ ←→ インターネット

となっていればいいということになります。基幹ネットワーク(イ)に置くのは直接通信してることになりますし、ネットワークA(ウ)はわざわざ別のところへ行くだけになるので無意味でしょう。ということで消去法でDMZ()となります。よって正解は「ア」です。

これにより実際に外部に行くのはDMZ空間上のプロキシになるため、直接基幹ネットワークを使うということがなくなります。

最後の問題、空欄eですが、ちょっとした一次不等式による計算問題となります。

  • キャッシュサーバ(プロキシサーバ)未使用時の平均応答時間は100としておく
    • 平均応答時間の半分以下ということは50より小さいということになる
  • キャッシュサーバを使うと、ヒット状態により応答時間変化する
    • ヒットすれば過去のデータを再利用できるため高速化、30となる
    • ヒットしなければ代理受信・転送によるオーバーヘッドで逆に遅くなり、110となる(キャッシュにのれば次からは早くなるので全体で見れば取り戻していける)

ということが示されています。ヒット率を変数x(0 ≦ x ≦ 1)と置いてみましょう。ヒットしない部分は残りなので「1-x」となりますね。では計算してみましょう、以下のような式の流れになります。

ScreenClip

すなわち0.75(75%)以上のヒット率があれば「キャッシュサーバ利用時の平均応答時間はキャッシュサーバを利用しないときの平均応答時間の半分以下」になることがわかります。ということで75%に該当する解答は「」となります。

解答をまとめておくと、以下のようになります。

  • 設問1: aは、bは
  • 設問2: cは、dは、eは

いかがでしたか? 最後の計算問題も、きちんと文章を読んでその通りに式にすればいいので難しいこともないと思います。

次回(日曜日)、この問題に対して、少しだけツッコみをいれてみたいです。次回試験で参考になるといいのですね。

2011年(平成23年度)秋期の解説

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