みなさん、こんにちは。ヒラメキデザインという授業を担当している河田です。
少し前にはなりますが、3月に、福岡校長、ゲームソフト分野の白石先生、情報工学科の森崎先生と一緒に中国の深セン(深圳)へ出張へ行きました。
みなさんは中国にどんなイメージを持っていますか?
行ったことがない人からすると「三国志」とか、「カンフーや少林寺拳法やってる」とか、「パンダ」とか…そんな感じでしょうか?
ちなみに私は、中国を訪れるたびに「この国を侮ってはいけない」と思います…いろんな意味で。
今回は少しでも中国、そして深センのカオスさをお伝えすることができればと思います。
深センという街
香港のすぐお隣の街、深セン(深圳)。
以前訪れた事のある他の都市(大連・成都)に比べても、深センは自然豊かで、道路も整備され、とても美しい街だと感じました。
朝の地下鉄の駅前では屋台で朝食を買う人がいたり、ベンチに座って景色を眺めている人達も居ます。
どこかゆったりとした、雰囲気が漂っていて…と思いきや…
深センで今、何が起こっているのか!?
深センは国から経済特区として指定されている街です。
なんと、わずか30年で農村地から巨大なビジネス街に急成長!人口も40倍以上に!(30万人→1,400万人!!!!)
65歳以上の高齢者が全人口の2%だそうで…凄まじい割合…(一人っ子政策が終わったらしく、街には赤ちゃんがいっぱいでした)
そんな深センは今、世界中から若いベンチャー企業*1が集まるようになっています。
そこには世の中の流れと大きく関わる、4つの理由があげられます。
- 個人がお金をかけずに新しい物(ハード)を発明できる時代になった
- 発明した物を製造・販売する為のお金をネットを通じて集められるようになった
- 深セン特有の部品の集まりやすさがある
- 深セン特有の技術・知識がある
今回は上記のうちの1と2について、紹介します。
【1】個人がお金をかけずに新しいものを発明できる時代になった
「メイカームーブメント」
今回深センでは「x.factory」という、「メイカースペース」を見学させていただきました。
みなさんは「メイカームーブメント」という言葉を聞いた事がありますか?
ものづくり(ハードウェアの製作)をする人、または企業の事を「メイカー」と言います。
ひと昔前まで、何かものを作る時には、製造する為の設備や工具を準備する必要がありました。そこには当然、お金がかかります。
しかし、今なら「メイカースペース」に行けば、3Dプリンタのみならず、様々なものづくりに必要な設備が揃っています。利用費さえ支払えば誰でも使える工作室のような場所です。日本でもDMM.makeなどが有名です。
また、ネットが普及した事によって、様々なアイデアや設計データを共有することができるようになりました。ゼロから設計しなくても、誰かの設計に自分のアイデアをプラスする事もできます。
このように、誰でも昔ほどお金をかけず、手軽に、ものづくりに挑戦できるようになった事を「メイカームーブメント」と言います。これは決して深センだけの動きではありませんが、深センを勢いづけている要素の一つである事は間違いありません。
今回見学させていただいた「x.factory」は、当時はオープン前で準備中でしたが、すでに出来上がっているようです。
【2】発明した物を製造・販売する為のお金をネットを通じて集められるようになった
「クラウドファンディング」
さて、いざ素晴らしい発明品が作れたとして、それを大量に生産し、販売しようとなるとどうなるでしょうか。当然、そこにはお金がかかってきます。
そこで、「クラウドファンディング*2」というサービスがあります。
自分のアイデアをネットに載せて、そのアイデアを応援したい人から投資をしてもらうことができるサービスです。
例えば、日本では「CAMPFIRE」や「Readyfor」や「Kibidango」などが有名です。
このようなサービスを使えば、アイデアさえ良ければお金を集めることができようになりました。
なぜ深センなのか?
素晴らしいアイデアもある!開発する環境もある!お金も準備できた!
しかし、ものづくりするための肝心の部品がない!
この悩みを解決できるのが、深センにある超巨大な電気街「華強北」です。
この電気街「華強北」がすごかったです…。
続きはコチラ
【中国・深セン出張レポート2】
「世界最大級の電気街-華強北-」「山寨の文化」
*1 ベンチャー企業は(大企業なら手を出したがらないような)冒険的・野心的な事業。起業。ベンチャービジネス。
英語ではstartup companyまたはstartupと呼ばれ、近年では日本でもスタートアップという言葉が主にIT業界で使用されるようになっている。
(Wikipedia引用)
*2 クラウドファンディング(英語: Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。 ソーシャルファンディングとも呼ばれる。
(Wikipedia引用)
今回の出張の際には、チームラボの高須さんからの情報や著書「メイカーズのエコシステム」などを参考に訪問させていただきました。
高須さんの情報がなければ、今回の出張はきっと上手くいきませんでした。このブログを書く際も先日、地域ICT推進協議会COPLIにて行われた「メイカーズのエコシステム」講演の内容を参考にさせていただいております。講演当日も最前列でお話を聞かせていただき、非常に勉強になりました。ありがとうございました。
出張で同行してくださった、神戸デジタル・ラボの舟橋さん・中西さんには大変お世話になりました。
中西さん率いるIoT班の特集「KDLが考えるIoTとその未来」
我々は、今回の出張で見た世の中の大きな流れを教育にどう反映させていくか、深く考えて進んでいきたいと思います。
以下、参考にさせていただいたWebサイトです。
リクルートホールディングス「シリーズ アジアで働く 中国のシリコンバレー・いま加速する深圳の経済シーンとは?」
ダイアモンドオンライン「中国第三の都市へ飛躍する深センの実力は本物か」
YouTube「Shenzhen: The Silicon Valley of Hardware (Full Documentary) | Future Cities | WIRED」
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