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違った自分を”創造する”ことに踏み出す”勇気”

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違った自分を”創造する”ことに踏み出す”勇気”

3DCGアニメーション学科の教員の源田です。

3DCGアニメーション学科では、3DCGソフトMayaを使ってのモデリング技術習得や、動きをつけるモーション練習、AfterEffectによる動画編集の方法などを、就職に向け日々勉強しています。

さて、ブログを書くにあたり、古い記憶を辿っています。そんな中で強く印象に残っている出来事をご紹介します。

指導の仕方について、親御さんからのご指摘

昔、親御さんから以下のような声が学校に寄せられたことがありました。

「子供が学校で「企業さんにゴミを送った」と叱られて落ち込んでいる。何とかしてほしい。」

という相談でした。この場合のゴミというのは、「出来の悪い作品集(ポートフォリオ)」のことを指しています。

この心無い言葉に、学校の品位を恥じる思いだったので心に残っていたのでしょう。

親御さんのご指摘は

「学校は企業レベルに達するように子供たちを指導してほしい」、「簡単に子供の自己責任として欲しくない」という思いでした。

当の学生にとってはしっかりと勉強したのに、あまりの言われ方に心砕ける話しだったと察します。

こういう時、どうすれば良い?

3DCGやグラフィックデザインなど、コンテンツ系の就職活動では、企業に”あるレベル”の作品を送らないといけません。そして、就活全体に言えるように、それを選ぶかの選択権は企業側にあって、この”あるレベル”がハッキリとしません。

過去の傾向分析はあるものの、すべてに対応することは難しいです。そこで、今あるBESTの状態の作品を送るのですが、お目にかなわず上手くいかないことがほとんどです。

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であるならば、どうすればいいのか?ここが学びのポイントです。

長い人生で瞬間的に失敗したことを非難したり、落ち込んでも問題は解決しません。まず、大人としての社会人になるという習慣や思いを学ぶことを優先したほうが良いです。

残念ながら、学習能力の差は存在します。それらのすべては個人の責任ではありません。学習の失敗は個人の失敗では決してありません。

「基準」に達していないというレベルもコントロールできるものではなく、この「基準」を厳密に設けると規格品のようなサービス産業になってしまいます。クリエイティブな事を勉強する学校での”学び”がそれで良いとは思いません。

失敗は大きな経験値を生む

「上記の企業にうまくいって就職できたとします」。一見ハッピィーなのですが、失敗したときに学ぶ経験には接することができなかったことになります。この得がたい”経験値”は生まれ得なかったでしょう。

「企業さんにゴミを送った」と言われることは、一人ひとりにカスタマイズされた”人生の学校”課題なのです。もちろん、私にとっても。
(もちろん、今の学校ではそんな指摘の仕方をする先生は居ませんが…)

とは言え、心折れ、居場所がなく、不登校になりそうです。

違った自分を”創造する”ことに踏み出す”勇気”

さて、ここで必要なのは「今ある自分から、違った自分を”創造する”ことに踏み出す”勇気”」です。

そもそも、誰もが納得する作品ができるなどということはありえません。まだ社会人にもなっていない”ひよ子”状態なので、1,2年の勉強でマジックが起きて驚異的な成長をすることも極めて少ないです。

学校は学生の社会化を促し、それを行うことを使命としています。もちろん、周りの社会も含めて「大人の行動ができる人間を育てる」ことを求められます。

このことをしっかりと理解し、共に取り組むことがポイントです。
私は、「理不尽で不可解な社会に対して逃げずに加わって行く」との気概を持つことが「学校というところで学ぶ」最大の利得だと考えます。

そして、学生達は、涙を流し、挫けそうになりながら、この難しい問題に解答を添えてドアをこじ開けてくれます。

と、ブログ記事をまとめながら、10年以上前の学生のことを思い出しました。

そんな彼は今どうしているのか

彼は、担任をしたクラスの学生で、卒業時には就職が決まっていませんでした。当時は就職環境も悪く、専門就職に就くことが険しい時期でした。

そんな中、卒業後半年たったある時、友達と学校を訪ねてくれました。友達は業界への専門就職を果たし、彼は飲食関係の仕事についていました。二人とも、半年間、悩み、精進していたことだと思います。そのことには、一言も触れず。

今はしっかりと仕事をしていることを報告してくれています。

専攻した3DCG系の仕事ではない彼は、胸を張って自分の今の仕事を選び、仕事場で必要な人となろうと頑張っています。その思いを短い会話の中ですが感じることができました。

彼らの清々しさを、私は誇りに思い、いつまでも大切にしたいです。そう彼らは立派に「卒業」してくれたのです。

今年ももうすぐ卒業式です。

今年の卒業式は3月16日、2年間一緒に過ごした面々が”輝きを持って”社会に出ていきます。

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