
みなさん、こんにちは。ヒラメキデザインという授業を担当している河田です。
少し前にはなりますが、3月に、福岡校長、ゲームソフト分野の白石先生、情報工学科の森崎先生と一緒に中国の深セン(深圳)へ出張へ行きました。
今回は少しでも中国、そして深センのカオスさをお伝えすることができればと思います。
この記事は前回の記事の続きです。
【中国・深セン出張レポート1】「メイカームーブメント」と「クラウドファンディング」
【3】深セン特有の部品の集まりやすさがある
「世界最大級の電気街-華強北-」
前回の記事で「メイカームーブメント」と「クラウドファンディング」についてご紹介しました。
素晴らしいアイデアもある!開発する環境もある!お金も準備できた!しかし、ものづくりするための肝心の部品がない!
そんな時にはここです。
超巨大な電気街「華強北(Huáqiáng Bĕi)」
どういう街か簡単に説明すると、秋葉原から萌えの要素を取り除き、30倍に拡大したような街です。
華強北の一角にあるビルの入り口。
「電子世界」…聞くだけでワクワクです。なんか強そう。
上階から降りるエスカレーターからのビル内の景色。これ、各フロアがどうなってるかと言うと…
こんな感じ。大体2〜3畳ぐらいの小さなお店がギッシリ詰まっています。
どこで生み出されたのか…あらゆるケーブルが売られています。
こちらはGoPro…もどき。本物なのか偽物なのかは解りません。(多分偽物)
奥のギラギラマイクは、あれだけでカラオケができる代物です(通販番組で見たことある)
これはかなり良い感じ。流行りのドローンです。実は深センはドローンの聖地と呼ばれています。街中ではドローンがビュンビュン飛んでいます。
VRのヘッドマウントディスプレイ。富士通って書いてるけど…これは…、大丈夫なやつなのかな?
これは…なんだ?ちょっと触ってみたのですが、ファ○コンっぽいソフトがたくさん入っていました。かなり怪しい…(間違いなく正規ではない)
夜になるとビルの裏では商品の発送作業が行われて居ます。それもすごい量…。おそらく、実店舗以外でも、オンラインで世界に向けて商品を販売しているのだと思います。
閉店後はダンボールやゴミが散乱していました。
今の深センの勢いを間違いなく後押ししている「華強北」。
この広大な電気街にさえ行けば、ありとあらゆる部品を買う事ができます。
【4】深セン特有の知識・技術がある
「山寨の文化」
中国には「山寨(shānzhài)」という文化があります。山寨とは「模倣品・ニセモノ」を意味する言葉のようです。今回の出張で、私が一番びっくりしたのが、この山寨でした。
街には山のように模倣品・ニセモノ・コピー品が売られています。
得体のしれない携帯電話がずらり。中にはアップルのロゴが入っているのにWindowsが動いてたり。
しかし、ニセモノも馬鹿にはできません。
元々深センは、香港や台湾の下請け工場が集まっていたらしく、様々な製品に携わるうちにうちに労働者達の技術力が上がっていったようです。
街で揃う豊富なパーツと技術で、様々なニセモノを作るうち、ついには本物を超える製品を生み出す事ができるようになったというのが、深センの街の強みのようなのです。
ベンチャー企業*1が集まる理由
さて、ここまで4つの理由をお伝えしてきました。
大量生産ではなく少ない数の生産の時に、深センという街が力を発揮します。まだ資金の少ないベンチャー企業も、アイデアを形にするためのシステムが揃っているため、深センに集まって来ています。
今回の出張では、深センの街の特徴を象徴するような会社へ訪問しました。
次回はその会社のご紹介をしたいと思います。
続きはコチラ
【中国・深セン出張レポート3】
ベンチャー企業が集まる理由
*1 ベンチャー企業は(大企業なら手を出したがらないような)冒険的・野心的な事業。起業。ベンチャービジネス。
英語ではstartup companyまたはstartupと呼ばれ、近年では日本でもスタートアップという言葉が主にIT業界で使用されるようになっている。
(Wikipedia引用)
今回の出張の際には、チームラボの高須さんからの情報や著書「メイカーズのエコシステム」などを参考に訪問させていただきました。
高須さんの情報がなければ、今回の出張はきっと上手くいきませんでした。このブログを書く際も先日、地域ICT推進協議会COPLIにて行われた「メイカーズのエコシステム」講演の内容を参考にさせていただいております。講演当日も最前列でお話を聞かせていただき、非常に勉強になりました。ありがとうございました。
出張で同行してくださった、神戸デジタル・ラボの舟橋さん・中西さんには大変お世話になりました。
中西さん率いるIoT班の特集「KDLが考えるIoTとその未来」
我々は、今回の出張で見た世の中の大きな流れを教育にどう反映させていくか、深く考えて進んでいきたいと思います。
以下、参考にさせていただいたWebサイトです。
リクルートホールディングス「シリーズ アジアで働く 中国のシリコンバレー・いま加速する深圳の経済シーンとは?」
ダイアモンドオンライン「中国第三の都市へ飛躍する深センの実力は本物か」
YouTube「Shenzhen: The Silicon Valley of Hardware (Full Documentary) | Future Cities | WIRED」
- Date:
- Tag:
- この記事を
友だちに教える - LINE
- - HatenaBookmark
- GooglePlus