ゲームソフト分野で2年生を担当している生島です。
ゲームソフト分野は「ゲーム業界一直線!」を合言葉に、1年生の時からプログラミングに特化したカリキュラムを実践します。
また、1年次から作品制作に力を入れて取り組みゲーム業界への就職を目指すことになります。
私は2年生向けに3Dのゲームプログラミングを教えていますが、その間にも次々と新しい技術が開発されています。
一番わかりやすいのは映像面の向上ですね。実写と見間違えるような表現がどんどん登場しています。
しかし、「3D=リアル」と決めつけていませんか?
あえて現実的でない方向に発展させることで新しい面白さを生み出すことがあります。
非現実なルールを取り入れた例
今回は以前見つけたデモについて紹介しましょう。
Pillow Castleが開発中の「Museum of Simulation Technology」という作品です。
一見、よくあるFPSタイプ(主人公の視点でプレイする形式)のゲームです。
向こうの方にエッフェル塔とピサの斜塔が見えていますね。
照準を白い塔に合わせてつかみ取り、
そのまま見る方向を変えて手前に引き寄せ……
テーブルの上で離してみると……
なんと卓上に載るほどの小ささに! うわー!
手前の台に置いてあるミニチュアっぽいやつを……
遠いところを狙って離すと……
大きくなって足場に!! うわー!
そうです。
「画面上で見えている大きさに実際に変わる」というシステムなのです。
近くのものは大きく『見える』、遠くのものは小さく『見える』、という現実のルールを「見えるだけでなく、実際に変化する」という風にアレンジしたわけですね。
元の大きさに意味がなくなる
このルールがあれば物の大きさなんて自由自在です。
ちっちゃい絵画も
ドーン!!
でっかい谷間に
ガーン!!
手近なところに利用できる物がないか、それを見つけるゲームなのです。
柔軟な発想が問われる
この作品は物理エンジンを導入しているようで、現実同様のリアルな挙動がさまざまな解き方を受け入れてくれます。
どんな手段でゴールにたどり着くのか、柔軟な発想が大切です。
高い柱の上に載ってしまっているゴール。どうしたらいいんでしょう?
物が何もないガランとした部屋。あなたならどうしますか?
小さな窓の奥に見えるゴール。どうやって通り抜けましょう?
どこでもドアのようにつながった2つの出入り口。
片方を大きく、片方を小さくすると何が起こると思いますか?
ぜひ動画で観てみよう
気になった人はぜひ、デモ動画をチェックしてみてください。観ているだけでワクワクしますよ。
まだ開発中なので実際にはプレイできず、今は動画だけで我慢です。
動画の冒頭にもあるように、この作品は遠くに見える建造物を小さい物のように写真に撮るジョークから生まれた発想ですね。
ただ、それを実際に実現しようとするとかなり悩みます。3Dプログラミングを勉強している在校生なら、この処理がどれだけややこしいか共感できるでしょう。
人を驚かせる要素を考える
ゲームにはどこかひとつ、観ている人を「おっ!」と驚かせる部分が必要です。
いろいろなものから刺激を受け、変なアイデアをたくさん出してみてください。
一見くだらない発想に見えても、実は磨けば光る原石の可能性があります。
ちなみに、少しあとに公開された最新版もグラフィック的に進化していて素晴らしいデキです。
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